こんにちは!
ピアノ講師のむらかみです。
今日は、ピアノの「上手さ」についてのお話し。
しゃしゃり出るお母さん
ぶっちゃけ、難しい曲も練習をすれば誰だって弾けるようになります。
お子さんのピアノ発表会などで時々、曲の難しさにこだわるお母さんがいらっしゃいますが、難しい曲を弾くから「上手い」とか「すごい」わけではなく、どんな曲も、しっかりと弾き込んで曲を理解し、キレイに弾くからこそ「上手い」のです。
発表会では、その子の練習量も考慮して、今 弾けるレベルより少し難しい曲を数曲聞かせ、本人が気に入った曲を選曲します。
もちろん、「これが弾きたい!」「あの子が弾いた曲が弾きたい!」という希望は大いに考慮しますが、我子の希望曲に納得いかず、がらりと違う曲に変え、お母さんが選曲してしまう時があります。
あんなに、「発表会で憧れのあの曲が弾ける!」とキラキラした顔で帰って行ったのに、次の週にはうかない顔で「この曲にする」と言ってレッスンに来るのです。
よくよく聞くと、お母さんがYouTubeを見て選んだそうで、本人が気に入ったわけではないようでした。
そういった場合は、大抵が本人のレベルにも、雰囲気にも合っていないことが多く、わたしも生徒(お子さんも)も内心「なんておもしろくない曲。。」と思うのです。
YouTubeでどんな年齢の方がどのような場所で弾いていたものを見たのかはわかりませんが、弾く本人ではなく、ピアノのプロでもないお母さんが選曲するなんて、ナンセンスだとわたしは思ってしまいます。
講師によっては、あまりにお母さんがしゃしゃり出ると破門になる教室もありますのでご注意を。
(はい、経験あります笑🖐️)
結局、他の曲を提案しますが、お母さんの余計な考察が入るので講師も生徒も妥協した曲になってしまい、結果あまりピンとこない演奏になり、本人にとっても楽しくない発表会になって終わるという残念な結果になってしまいます。
上手さとは
わたしがYouTubeやInstagramなどで弾く曲はほとんどが初級の楽譜です。
簡単に譜読みできるのはもちろん、メロディーが単純なので耳障りよく、よりキレイに弾けるからです。
そんな超かんたんな楽譜のものでも、「素敵です」「キレイです」「すごいですね!」「感動しました」「鳥肌たちました!」などのコメントをいただけるのは、譜読みがかんたんだからこそ1音1音丁寧に、メロディの盛り上がりを意識して弾けるからです。
難易度の高い曲をふうふう言いながらギリギリ弾くよりも、余裕を持って弾ける曲の方がより音楽理論に基づいたアーティキレーションをつけれるので、たくさん練習して弾きこまなくても「素敵」に弾けるのです。(毎日投稿しているので、難曲だと練習が間に合いません。。)
これは私の例でしたが。。
子どもの発表会では、難しい曲を弾いているから「上手い」ではなく、よーく音を聞いてみてもらいたい。
ぎりぎり、やっとのことで弾いているのか、それとも1音1音丁寧に弾いているか、メロディがキレイに弾けているのか。
確かに難しい曲を譜読みするのは骨が折れるし、大変です。
でも、「やっと弾けたー!」というレベルでは「上手い」とは言いません。
それよりも、しっかりと地に足のついた丁寧な演奏をしているお子さんの方が断然「上手い」のです。
「丁寧さ」「大事に弾いているか」がポイント。
よく体が動く演奏
演奏中にものすごく体が動くお子さんがいます。
もちろん、拍にのると少し体は動きますが、あきらかに体が鍵盤に近づきすぎたり、くねくねしすぎているのは要注意。
それを「上手さ」と勘違いされるケースが多々ありますが、そういう演奏は、目を瞑って聞いてみるとよくわかりますが、「そう弾きたい気持ち」が音に反映されていないことが多いです。
気持ちは「なめらかに歌うように弾きたい」のですが、どうやって弾いたらよいのかわからず、ただただ体だけが動いてしまうのです。
でも、逆に姿勢が定まらないので弾きにくい状態にしてしまっている場合が多く、音も悪いです。
プロのピアニストは、ほとんど体を揺らさない方がほとんど。
そして練習時、鏡をみて自分の姿勢や動きをチェックされる方が多いと思います。
「動く」にしてもかっこいい動きを研究されているんです。
なので、よく動いてしまう方は「動かないで弾く」練習をしましょう。
いかがでしたか。
ピアノの発表会では、「こんな難しい曲を弾いているなんて、上手いんだわ」ではなく、「丁寧に音楽を理解して弾いているのかしら」というところに注意して聞いてみてくださいね。
難しい曲は誰だって弾けます。
楽譜が読めなくても、器用な方は指の動きを覚えて弾くこともできちゃいます。
音楽の学びはとても深いです。
「弾けるようになった」とこからが「丁寧さ」「音楽的アプローチ」「気持ちを込める」を学ぶ段階なのです。
ぜひ、そういった耳を養ってみてください。
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