親がピアノ未経験
「親がピアノ未経験でも、子供はピアノが弾けるようになりますか?」って質問をよくいただきます。
答えはいつも
「弾けます!」
と即決です。
ピアノは親に教えてもらうのか
私の母もピアノ未経験でした。
母が姉に習わせていたのですが、姉が持っていた楽譜を見て興味を持ち、五線譜に胸がわくわくどきどきして、「私もやりたい!」とやらせてもらったのがきっかけでした。
「姉が弾いているのを見ているから、弾けるようになったのよ」
と母には言われましたが、姉が怒られながら弾かされているのは記憶にありますが、弾き方や音を聞いていた記憶は全くないので、「見て覚えた」と私自身は思っていません。
年少さんの頃、ヤマハの音楽教室に通った時に、1音1音おしえてくれる音符を「しっかり記憶して1回で覚えよう。お姉ちゃんみたいに怒られないようにしなくちゃ。」と、すごく頭を使って覚えていった記憶があります。
幼稚園の年中さんの楽器演奏でエレクトーンを担当し、楽譜をすらすら読んで弾く私に先生が
「楽譜が読めるの?すごい!私も読めないのに!」
と驚いて言った言葉を今でも覚えています。
親に教えてもらったのではなく、音楽教室で教えてもらい、「覚えよう」と思って覚えました。
このとき、「ただ毎週通う」だけでは、なかなかできるようにはならないと思います。
「習ったことをしっかり覚えよう」という意識がないと難しいです。
それができないのなら、親が一緒になって覚え、一緒に成長していくのが良いと思います。
大人だって苦戦している人が多いピアノを、子ども1人に強制させるのは、よほど自立している子じゃないとちょっと難しいことだと私は思います。
生活の中に音楽があるかが大事
親が音楽未経験の家庭は、音楽が生活の中にないことが多いです。
家に音楽がない家庭でお子さんにピアノを習わせ、
「さあ、弾きなさい」
と言っても練習はしないでしょう。
音楽の楽しみ方を知らないので、1人で弾く練習はただただつまらないものなのです。
その点、お母さんがピアノを弾けて家に楽器があると、時々弾いたり、好きな音楽をかけたり、お歌を歌ったり、何かしら生活の中に音楽があると思うのです。
音楽のある家庭では、例えば親も子供もスーパーに流れる音楽を覚えて1日中歌っていたり、CMで耳に残った曲を鼻歌で歌っていたり。
ふとしたBGMで流れてきた曲に「これ、ポケモンの曲だよ!」と反応したり。
生活の中にあたりまえのように音楽があります。
「音楽を聴く」耳があるのです。
そうすると、「ピアノを習いたい!」「あの曲を弾いてみたい!」「もっと弾けるようになりたい!」となるわけです。
練習にも興味を持ち、「そんなのが弾けるようになったの?すごいね。」「ママは弾けないから聞かせてほしい。」とか、「パパにも教えて」なんて声をかけてもらえたら、すごく得意げに、楽しく練習できると思います。
ピアノが上達する方法
ピアノを上達させるには、なんといっても、「練習する気持ち」が大切です。
1回や2回弾いただけでは、入門の頃は良いですが、だんだんレベルが上がってくるとそうはいきません。
毎日、3回でも良いから繰り返し弾き、先生に言われたこと、楽譜に書き込まれたこと、注意深く読んでレッスンの内容を思い出します。
レッスンで言われたことを次のレッスンまでにできるようになってくる。
このあたりまえのことができない子はとても多いです。
これができるようになると、他の子からひとつ頭が突き出て上手くなります。
子ども1人でできないのなら、親が手伝ってあげる。
それだけで子どもはぐんぐん上達していきます。
子どもはお母さんと一緒にやることが大好きですから。
ただ一つ注意してもらいたいのは、「口出しするだけ」は逆効果だということ。
「弾けないくせに」とイラッとしてしまいます。
弾ける親でもいい方を間違えるとイラッとされます笑
口出しされただけでパッと弾けるようになるほど、簡単なものではないのです。
口の出し方には気をつけましょう。
「レッスンで言われたことは絶対に忘れない」
子どもの頃からの私のポリシーでした。
楽譜やノートに書き込まなくても覚えていられました。
今でも、子供の頃の楽譜を見返すと、どんなレッスンをして、どんな練習をしたのかの記憶が蘇ります。匂いや、その時の気持ちまで思い出せます笑。
1曲1曲、常に入魂してました。
どんなに難しい曲も、「先週よりも上手くなっていないと!」と、1週間必死で練習してました。
じゃないと、先生の圧力がすごいのです笑。(そういう時代でした)
「上手くなる事」が私の目標だったので、とてもピアノを楽しめました。
でも、その子によって目指すものは違うと思いますので、その子のレベルや目標に合わせて、ゆるくやるか、ストイックにやっていくか、よく話し合って目指すところを共有すると良いと思います。
ただ習わせるだけでは弾けるようにならない
ただ、通わせていれば良いかというと、そうではないのがピアノの難しいところ。
そろばんや習字は毎週行って練習しているうちに上達してくるでしょうが、ピアノは毎日お家で練習しなければいけないのです。
「毎日練習する」そのマインドを作るのはお母さんの役目だと私は思います。
レッスンに来て、とにかくやりたくなさそうな態度をしている子が時々いますが、「やりたくないの?」と聞くと「ピアノもうやりたくない」と泣きながら言う子もいますし、「やりたくないんだけどママに喜んでもらいたいからやってる」と言う子もいます。
聞くと、いろんな家庭の事情があり、私が口だしできる範疇ではありませんが、「親がピアノや音楽に関心がない」「親が子供に感心がない」「親がレベル以上の曲を弾かせたがる」「親がひどく厳しい」ケースがあります。
最悪だったのは、「うるさいからヘッドフォンつけて弾け」と言われている子。弾ける時間も限られていて、モチベーションが上がらず、好きな曲をやったり、練習曲を減らしたり、楽しい話をしたり、いろいろやってみましたが、最終的には泣きながら「もうやりたくない」と言って辞めていきました。3年半続けましたが、11歳になっても指さきの動きはぎこちなく、ある程度の譜読みはできるようになりましたが、入門レベルからは抜け出せないままでした。
ピアノを習わせるのならば、ピアノだって安い買い物ではないのですから、責任を持って子どものマインドまで面倒を見てあげるべきだと私は思います。
「やりなさい」ではなく、「一緒にやろう」「ママには弾けないから聞かせてほしい」という気持ちが一番大事。
やりたくないのにやってても、技術を習得しませんし、残念ながら弾けるようにはならないのです。
まとめ
いかがでしたか?
ピアノを始めるのなら、お子さんだけではなく、親にもそれ相当の覚悟が必要だということがお分かりいただけたでしょうか。
でも、1人で楽譜を見て弾けるようになると、大人になってからも楽しめます。
ピアノはストレス発散にもなりますし、生活に音楽があると気分も晴れやかで、前向きになれます。
子どもの頃は親も子も苦労するかもしれませんが、その苦労も大きくなれば大きな「親への感謝」になるのではないのでしょうか。
楽しく、親子で一緒に音楽を生活にとり入れてみてくださいね。
YouTubeでも「ピアノが得意になるトレーニング」配信しています。
コメント